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がんになって考えたこと

2016年3月11日

私は32歳の看護師です。

2年前の夏に子宮体癌で手術と化学療法を体験しました。
当時、がん専門病院に勤務しており、尋常ではないほどの眩暈で立ち上がることが出来なくなり救急要請しました。搬送先では重度の貧血で輸血を余儀なくされました。多少の知識はありましたので、只事ではないことはわかっていましたが、数日後にがんであり、子宮摘出後に化学療法が必要であると告知を受けました。

未婚でしたので、母親が同席してくれたのですが、母が泣いてました。普通であれば結婚して子供をみせて、親孝行しているはずの年代です。親に泣かれたのはこの時だけです。主治医の先生を尊敬していましたが、もしも転移していたらどうしようか。仕事はどうしようか。化学療法はどのくらい行うのか。もう恋愛や結婚は諦めなければいけない。。そんな悩みを抱え毎日沈んだ気分で過ごしていました。

そんななかでも家族や友達は私が思ったいた以上にサポートしてくれました。手術日は仕事をやすんだことのない父までが付き添ってくれました。友人も同じです。癌になって失ったものは大きいけれど、家族・友人の大切さを改めて気づくことができたことは私にとって、癌のおかげで得た大きな宝ものでした。罹患する本人にとってはもちろん、がんになることは辛く大変なことですが、周りでサポートする人たちにとっても大変なイベントであることを痛感しました。

TC療法3クールを終え、髪が抜けましたが、ウィッグをつけてすぐに復職しました。再就職先にどのように病気のことを伝えて良いのかだいぶ悩みましたので、社会復帰にむけてのサポートが気軽に受けれるようになれればと感じました。今は3ヶ月に一度細胞診で経過観察しているところです。再発リスクはありますが、支えてくれた家族や友人への恩返しの意味もこめて毎日を楽しく大切に生きたいと思っています。

(30代女性)