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健康であることを祝うための検診日(木之下 菜穂さん)

2013年9月6日

2012年10月、32歳のときに「子宮頸がん」の告知を受けました。

毎年、会社の健康診断にオプション検査で子宮頸がん検診を受けていたものの、予兆はありました。

告知を受ける3ヵ月ほど前から急激に水っぽいものが多くなり下着を濡らしたり、月に1回程度の不正出血があったり。

今思えば「水っぽいもの」はオリモノが水っぽくなって大量に出ている状況でしたが、尿漏れと思いこんでいました。

でも毎日のタクシー帰り・ストレスの多い生活から「体が疲れてるのかなぁ」「なんかあったとしても、未婚で未出産だと子宮内膜症が多いってい うしなぁ」と安易に考えていました。

実際はステージ2a1期。11月に子宮と付属臓器、卵巣1個を摘出することになりました。術後の病理結果で扁平上皮がんと大細胞神経内分泌がんの混合型という珍しいタイプであることがわかり、抗がん剤治療を6クール、毎週通院しな がら実施。

子宮摘出も抗がん剤治療も受け入れることはできたものの、インターネットで病気の情報を検索しては情報に振り回されたり、大細胞がんの症例が 少なすぎて予後情報の悪い症例しか出てこず落ち込んだり。

抗がん剤治療中は、副作用で体調がすぐれないときには気持ちも沈んでしまい、「この先どうなってしまうのだろう」という想いばかりが募って、 医師、看護師のみなさんに泣きながら訴えたこともありました。

自分が感じた辛い想いを、ほかの人には絶対にしてほしくない。

もし検診を受けたことがないのなら、私を反面教師にしていいから、受けてほしい。

そんな気持ちで自分が子宮頸がんで闘病していることを公開しました。

毎年検診を受けていたって、わかったときには子宮をとらなきゃいけなかった。

けれども、検診を受けていなかったら、もっともっとひどい状態でしかわからなかったかもしれない。

検診を受けないことは、見つけられる可能性と手段を放棄することでしかない。そんなのは絶対に間違っています。

毎年1回、検診日を作る。生まれたことを感謝しお祝いする誕生日のように、健康でいられることを感謝しお祝いする検診日。

そんな日を家族全員で作って、実践してほしいと思います。

 

木之下菜穂(30代、女性)