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片胸無くても明るく妖艶に舞う~乳がんと闘うベリーダンサー~(ミスリーナゆきえさん)

2013年9月5日

肌露出の多い衣装で、レストランやイベント等で華麗に舞う私はベリーダンサー兼講師です。

2年前の秋、全摘手術をし、片側乳房はありません。

抗がん剤の副作用で脱毛中はwigでショーを続け、ホルモン治療中の現在も踊り続けています。

乳がんだと分かった時に、父にどう伝えるか?私は親不幸なんじゃないか?等と考えもしました。

親兄妹に伝えることさえも悩み、勇気が必要なのに、癌ということを隠して生活している人が多い今の日本で世間に公表することは、相当の覚悟と勇気が必要です。

公表したことによって、同病者を含む一部の人からは「貴方は強いからいいわね、皆が貴方みたいに強いわけじゃない」等と言われました。

私は強いから公表したわけではありません。職業上公表せざるをえないため、4ケ月間悩んだ末、頑張って公表しました。

公表して「やだ、抗がん剤で禿るんでしょ」「私は癌にならない」等と心ない言葉も言われましたが、公表して良かったと思うことの方が多かったのです。

20年、30年前の知人達がネットで私の現在を知りメッセージを下さったり、23年間勤務していた法律事務所の人達やベリーダンス仲間等沢山の方々の応援があります。

「胸を摘出したから女として終わった」という人もいます。

髪が無くても、胸を切除したからといって女として・・人間としての、価値は変わりません。

癌になっただけでも辛いのに、堂々として生活できない世の中がどれだけ切ないものか・・

公表して暴言を吐かれることがどれだけ辛いか・・

2人に1人がガンだと言われてる日本で、殊更に癌だと言わなくても、敢えて隠すこともせず、癌患者が堂々として生活できる社会を作っていくべきだと痛感しています。

私はベリーダンスを通して、癌罹患者であっても、堂々と人前で華麗に楽しく明るくして生活ができるということを伝えていきたいと思っています。

ミスリーナゆきえ(ベリーダンサー兼講師)

※ミスリーナゆきえさんのダンススタジオ:砂漠の太陽 Yukie Bely dance studio