ホームに戻る > みんなの声を見る > テキスト > がんになって学んだ幸せ(和田 豊子さん)

がんになって学んだ幸せ(和田 豊子さん)

2013年7月24日

「何もせずにこのままだと後半年でしょうか、99%すい臓がんですね。」

主治医の穏やかな声で始まった術前の説明。入院時から「悪性であっても予後に至るまでの全てを告知して下さい。」との気持ちを主治医に伝え続けた私は泣き崩れる長男長女、必死に涙を我慢している主人に眼を向けた後、「先生、後三カ月位かしらと覚悟していました。三か月余分に命を頂いた様に思います。術後は又頑張りますのでよろしくお願いします。」と申しました。
どんな病名であれ私の人生です。全てを受け止めた上で治療を受けなければ主治医との信頼関係は構築されないと思いました。

膵頭十二指腸切除を受け多くの臓器が除去されたが、引き換えに多くを学びました。
命あるもの全てに覚える愛しさ、昨日と今日同じことが出来、食べてくれる人の為に料理をする、それがどんなに幸せな日々であるかを実感しました。
術後8年を活かされている感動を明日に繋げ、しっかりと癌と向き合って生きて参ります人生最後の学び。

和田 豊子(60代、女性)