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生かされている事に感謝

2014年6月26日

私は子宮頸癌患者であると共に看護師でもあります。

仕事柄癌患者さんやその家族と関わる事も多く、今や2人に1人が癌になり、3人に1人が癌で亡くなる時代だと言うことは患者さんの多さからも分かっていました。しかしそれはあくまでも看護師として仕事上理解しているものでまさか自分の身に、40代と言う年代で襲いかかって来るものだとは思いもしていませんでした。

去年年末に思い立った様に受けた4年ぶりの検診で子宮頸癌を指摘されました。何故か胸騒ぎに似た、どうしても年内に検診を受けなければならない様な気がして受けた検診での結果です。医師から結果を聞かされた時には、ショックや取り乱すと言うことは無く、やっぱりか…と落ち着いて聞いていた事を覚えています。自分よりも夫や子供達、両親の方がショックを受け、年末年始で楽しいはずの家の中が私の癌告知のせいで暗い雰囲気になってしまい、皆に心配を掛けたく無くて務めて明るく平気なふりをしていました。家族の前では不安な気持ちは出さず、無く時は布団に入って1人の時だけにしていました。

仕事で患者さんや家族への告知の場に立ち合う事が有ります。その時に取り乱したり、不安を訴えたりする事が無い患者さんに対しては、理解力良好、受け入れ良好と評価されています。自分が患者さんの立場に立ってみて、そうでは無いと言うことに気がつきました。みんな平気な顔をしていても心の中では悲鳴をあげていて、人知れず涙を流しているのだと言うことが分かりました。また退院後の生活においても、私は排便のコントロールに悩まされ、仕事復帰したものの排便が気になり食事もままならず、楽しいはずの食事休憩時間も苦痛で、体力が戻らずに夜勤もキツく、配置換えを希望しても通らず、退職希望しても通らず。再発すれば予後が悪いと言われ今も2ヶ月おきに細胞診の検査を受けています。今のままの勤務形態で無理をして、もしも再発したらと思うと恐怖です。地域の癌拠点病院の勤務なのに、患者としての立場の理解を得られ無いことが悲しく残念です。

入院生活では、自分が患者さんの立場になり初めて見えたり気が付いた事も沢山有り、今迄癌看護や緩和医療の研修にも参加して分かっているつもりでいたけれど、うわべだけで本当の理解は出来ていなかったんだと気付き、反省しました。
これからは今回生かして貰った事に感謝して、自分の経験を活かし患者さんや家族の方に還元して行きたいと思っています。また癌患者として啓発活動に参加して行きたいと思っています。何よりも、癌患者さんが治療を受けながら、周りの理解を得られ無理無く社会生活を継続して行ける社会になる事を切に願います。

(40代女性)