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試練を乗り越えて。そして与えられた使命に向かって。(坂本 裕明さん)

2013年9月5日

栃木で患者会の会長と患者支援団体の代表をしています坂本裕明と申します。今年度、栃木県のがん総合対策検討会委員にもなりました。

私は、契約社員として働いていた2年前に上咽頭がんにかかりました。販売店の店長を任されていて、売上も伸びていた矢先のことでした。治療のため、やむなく入院し、抗がん剤治療で苦しんでいた入院7日目に「現状では勤務できないため」という理由で退職を勧告されました。確かに長期の入院が必要でしたが、入院1週間で解雇はひどすぎると思いました。私が契約社員だから安易に解雇されるのだと思いました。しかし、今の日本の労働人口の3分の1は非正規雇用。非正規雇用だから病気になると差別されるのには納得がいかなかったです。

また、退院後、「がんという大きな病気をして、まだ1年経過していないこと」「月2回の通院」が障害となり、再就職活動は困難を極めました。これはがん経験者への差別だと感じました。結局、整体師の資格を取得、自営業をはじめました。そんな経緯もあり、昨年、仲間と患者の支援団体を立ち上げました。私は「がんになったことは試練」であり、その試練を乗り越えることができました。「やるべき使命がある」から「生かされた」と感じています。私がなすべき使命は「がんになっても安心して人生を送れる社会をつくる」ことだと悟っています。だからこれまでいろいろな経験をしたのだと思っています。

しかし、生活のため、自営業を始めたばかりで、支援団体の活動は活発にできていないのが現状です。今回参加させていただいた、OCTサバイバースピーキングセミナーで学んだことを活かし、一緒に活動してくれる仲間と支援者を募り、「がんになっても安心して人生を送れる社会の実現」を目指して活動していきたいと思います。私は、この活動を通して少しでも多くのがんサバイバーの役に立ちたいと思います。そして社会を変えたいと思います。

 

坂本 裕明(40代、男性)