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僕が活動を続ける理由(井本 圭祐さん)

2013年9月4日

僕が急性リンパ性白血病を発病したのは中学3年生になる直前でした。入院直前に小児がんをテーマにした映画を授業で見たこともあり、偽りの病名を告げられ治療生活を行っていました。きちんと病名告知を受けたのは全ての治療が終わった高校3年生の夏のことでした。

しかし、僕はそれより前からなんとなく自分の病気は白血病じゃないかと思っていましたが、親や主治医に聞く事はありませんでした。病名が変わったことで治療が終わるわけはないですし、その過去がなくなる訳でもないからです。

寛解後、自然と病気のことは頭から離れ、過去のことと思うようになりました。

しかしちょっとしたきっかけからまた病気と関わることになりました。そこで知ったのは小児がんの現実です。毎年約2500人の子ども達が発病していることや晩期合併症のこと。自分でも知らなかったことを周りの人が知るはずがないと感じました。

小児がんを経験した子ども達には発信する力、情報を集める力は未熟です。

子ども達と一緒に活動することで自分の頃とは違う面もいっぱい見えてきます。

しかし根本にあるのは、同じような環境にある仲間達はどうしているのかということです。

そこで僕は小児がんの子ども達が自然の中でのびのび楽しく交流できる場として「にこスマキャンプ」を行っています。

そこには治療が終了した子はもちろんターミナルも僅かですが参加しています。

これまで4年で8回のキャンプを行いました。もちろん今も元気に過ごしている子がほとんどですが、中には亡くなってしまった子もいます。僕がずっと気にかけていた子が今年なくなりました。その子が亡くなる前にお見舞いに行った時に「キャンプにみんなと行けて良かった。みんなと会える大切な場所だから」と言ってくれました。

これからもこの子が言ってくれた「言葉」を大切に子ども達と一緒に活動を行っていきたいと思います。

 

井本 圭祐 (20代、男性)