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頑張ろう、サバイバー!(清水 敏明さん)

2013年5月29日

よく結婚式のスピーチで、こんなのがあります。
「人生には3つの坂がある。一つは上り坂、二つ目は下り坂、そして三つ目はまさか、です。」
自分に訪れたまさかが、癌サバイバーになることとは、まさか、思ってもみませんでした。
毎年の健康診断でも悪いところは全くなく、マラソン大会にも出場し、年に3回は献血をするほど元気でしたが、今回自分が輸血を受ける立場となりました。

僕の癌は比較的珍しい舌癌です。一度舌の3分の1を切除する手術と、放射線治療を受けたのですが、残念ながら半年後に顎の骨に転移してしまい、再度、19時間に及ぶ外科手術と抗癌剤治療を行いました。
そのために、喋ることと食べることに障害が残ってしまい、身体障害者4級に認定されました。

僕は20年以上にわたり、建築現場の現場監督を仕事としてきました。専門的な資格もとり、日々やりがいを感じていたのですが、もうその仕事はできません。
もちろん、喋ることに障害がありますので、人と話す仕事全てが出来なくなってしましました。
そして退院後からリハビリに取り組み、メールや筆談を駆使しながら、なんとか事務仕事に復職することができました。

僕が今回の経験を通じて感じたことは、確かに医療スタッフの方はとても良くやってくれました。
しかし、自分の心の葛藤や、喪失感をどう前向きに転じるかなどは、病院ではどうすることもできません。
緩和ケアで精神科の先生とも話しましたが、これはもう、自分で乗り越えるしかないのです。

主治医の先生からは、5年生存率20%と言われましたが、高1・中2・小6の子供を残して死ぬわけにはいきません!
今後はリブストロングやリレーフォーライフの方々と励まし合い、支え合い、ひとりでも多くのサバイバーの方に自分の経験が生かせるように頑張っていきたいと思っています。

清水 敏明(40代、男性)