余命宣告に抗って

2013年9月6日

私は、原発不明平滑筋肉腫の患者です。4年前に足の付け根に出来た、たった4cmのシコリを摘出した時には肝臓、膵臓、肺、臀部への遠隔性多発転移で余命3ヶ月と告げられました。

日本でトップクラスのがん拠点病院の医師でさえ「有効な治療法は確立されておらず、転移後の予後は大変悪い」と言わざるを得ない疾病になり自分の置かれている状況が全く受け入れられず、理解もできませんでした。

ただ、今まで生きてきた人生を締めくくるには3ヶ月では足りないという思いでいっぱいになり、衣類をはじめとする自分の身の回りのもの、結婚指輪も全て処分し、残された家族が私の遺品を整理するのに追われないように、私のいない空間にすぐ慣れる様にと、そればかり考えていました。

片方では余命宣告を受け入れたつもりでも、もう片方ではそんな簡単に自分の寿命の短さを受け入れてたまるものかという、相反する気持ちで1日、何時間もパソコンの前に座り続けました。

そんな中、肉腫を専門に研究している医師にどうしても相談したくなり、直接コンタクトを取りました。一度は諦めた命でしたが、肉腫専門医の紹介で肝臓のラジオ波で危機的状態を脱した後は、抗がん剤投与、新薬の治験参加、再び48クールの抗がん剤と休みなく治療を続け、延命出来ています。遠隔転移がある場合の生存中央値が半年から1年と言われている中では大変長生き出来ています。

余命宣告はとても辛く、悲しいものです。

生きた心地がせず、砂を噛むような1分1秒をを過ごす事になります。

でもそこで諦めたら、余命宣告通りになってしまいます。自分に合った治療に出会う事で3ヶ月と言われた命が6ヶ月に、1年、それ以上になる可能性は全ての患者に均等に与えられていると思います。

最後の最後まで自分を見捨てない事

それが全てだと信じます。

 

(平滑筋肉腫経験者 50代 女性)